健康診断で「脂質異常症」という結果が出た場合、放置しておくと動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病のリスクが高くなります。
まずは、薬に頼る前に食事で改善してみませんか?
服薬するようになっても、毎日の食事に気を配ることにより悪化を防ぐことができます。
脂質異常症は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)、善玉コレステロール(HDLコレステロール)、中性脂肪(トリグリセライド)の3つの値が関係してきます。
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は、140mg/dL以下に、善玉コレステロール(HDLコレステロール)は、40mg/dL以上に、中性脂肪(トリグリセライド)は150mg/dL以下にすることを目標にしてみてください。
食事で脂質異常症を改善するには?
脂質異常症を改善するために、毎日の食事は次のような点に留意しましょう。
動物性脂肪分の多い食品を避ける
悪玉コレステロールを増やす大きな原因となるのが、肉の脂身やラード、バターなどの動物性脂肪分の多い食品です。
洋食から和食に変えるだけでも、このような動物性脂肪分の多い食品を減らすことができるので、結果として脂質異常症の改善につながります。
ねばねば食品を積極的に食べる
納豆やオクラ、昆布、モロヘイヤ、山芋などのねばねば食品は、水溶性食物繊維を多く含み、余分なコレステロールを包み込んで体外へ排出する働きがあります。
また、血管壁にコレステロールが沈着するのを防ぐ働きがあるので、動脈硬化の予防にもなります。
大豆・大豆製品を積極的に食べる
豆腐や納豆、きな粉、味噌などに含まれる大豆の植物性タンパク質と食物繊維には、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあります。
特に納豆に含まれる「納豆キナーゼ」という酵素には、血栓を溶かし、血液をサラサラ状態に保つ働きがあります。
コレステロールを多く含む食品を避ける
脂質異常症の改善のためには、コレステロールを多く含んだ食品を避けるのも大切です。
レバーやモツなどの内臓類、タラコ、イクラ、数の子、シシャモなどの魚卵にはコレステロールが多く含まれています。
鶏卵は、1日1個程度なら心配ありません。
ショウガ・玉ねぎを毎日食べる
少量でも毎日食べることにより、脂質異常症の改善が期待できるのが、ショウガや玉ねぎです。
継続して食べることにより、悪玉コレステロールと中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やすことができます。
腹八分目を心がける
毎回、お腹一杯になるになるまで食べると、肝臓でコレステロールの合成が促進され、血液中の悪玉コレステロールと中性脂肪が増加します。
脂質異常症を改善するためには、腹八分目が理想です。
【参考書籍】