ある時、鏡で自分の顔を見てみると、目の下が黒っぽくなっている。とても疲れているように見えたり、急に老けたようにも見えてつらい。
この目の下のクマは、早めに解消したいですね。
ただし、クマには3種類あり、それぞれできる原因と解消法も異なります。
※この「クマ」という言葉は、動物の熊ではなく歌舞伎役者の顔に描かれた「隈取り(くまどり)」から来ています。遠くの席からでも役者の表情がわかるようにするための独特な化粧法です。
3種類のクマの原因と見分け方
クマには、「茶クマ」「青クマ」「黒クマ」の3種類があり、原因と見分け方は次のようになっています。
茶クマ
目の下が赤茶っぽく見えるクマです。
この茶クマの主な原因は、紫外線を浴びてメラニンなどの色素が沈着することですが、メイクや洗顔の際に皮膚をこすったり刺激したりすることにより色素が沈着して生じることもあります。
目尻に指を当てて皮膚を引っ張ってみると、皮膚と一緒にクマも移動することで見分けることができます。
青クマ
目の下が青っぽく見える「青クマ」は、皮膚の色ではなく皮膚の下を通っている血管(静脈)の色が透けて見えるものです。
青クマは、色白の人ほど目立ちやすいという特徴がありますが、眼精疲労や睡眠不足、冷え、ストレスなどで血行が悪くなると、クマの色も濃くなります。
皮膚をひっぱってみると、クマは動かず皮膚だけが移動することにより、青クマを見分けることができます。
黒クマ
黒クマは皮膚の色ではなく、目の下がくぼんで影ができ、その影が黒っぽく見えるものです。
影ができる主な原因は、加齢によって肌のハリや弾力が失われ、下まぶたにたるみが生じることです。
皮膚をひっぱってみると、影がなくなるのでクマも消えます。
3種のクマの解消法
目の下のクマを早急に消すには、コンシーラーやファンデーションを塗るという方法がありますが、どうしても一時的な解決にしかなりません。
3種のクマには、それぞれ次のような解消法があるので、参考にしてみてください。
茶クマの解消法
(1)美白ケアをする
茶クマは色素沈着によるものなので、ビタミンC誘導体が配合された美白作用のあるアイクリームや美容液を利用し、沈着してしまったメラニンの排出を促すようにすると改善も早くなります。
また、肌が乾燥するとクマの色も濃くなりがちなので、保湿に気を配ることも大切です。
(2)紫外線から顔を守る
肌のターンオーバーがうまく機能すれば、色素沈着したクマの部分も細胞が入れ替わって色が薄くなってきます。しかし、紫外線の影響で次から次へとメラニンが生成されれば、肌の修復は追いつきません。
帽子やサングラス、日焼け止めクリームなどで紫外線から顔を守るようにしましょう。
(3)目元をこすらない
肌に刺激や摩擦が加わると、色素沈着が促進されてしまいます。
茶クマを早めに治すには、メイクや洗顔などの際にゴシゴシとこすらないようにすることが大切です。
花粉症の時期も、冷たいタオルを当てるなどして、目の周囲をこすらないようにしましょう。
青クマの解消法
(1)ホットタオルで目の周囲を温める
青クマは血行不良が原因なので、目の周囲にホットタオルを当てて温めると血流が良くなるため目立たなくなります。
特に寒い季節になると青クマができるという方は、1日に何度か湯につけて軽く絞ったタオルを、両目の上から当てるようにしてみてください。
(2)マッサージやツボ押しをする
目の周りにはたくさんの毛細血管がありますが、血流が良くないと静脈が青く透けて見えるようになるため、「マッサージやツボ押し」で血行を良くすることが改善につながります。
目の周囲を人差し指と中指で、小さな円を描くようにマッサージしてみましょう。また、瞳の真下にある「四白(しはく)」というツボを押すのもおすすめです。
(3)美容液を利用する
肌が乾燥すると血流も悪くなりますが、保湿効果のある美容液を利用することにより、青クマの改善も期待できます。
特に肌のハリを保つコラーゲンやエラスチン配合の美容液がおすすめです。
黒クマの解消法
(1)眼輪筋トレーニングをする
黒クマは、目の周りの眼輪筋(がんりんきん)という筋肉の力が衰え、皮膚がたるんで来るのが原因で生じるため、この眼輪筋を鍛えることにより、改善につなげることができます。
目をギュッと閉じて5秒間キープした後、思いっきり目を開いて5秒間正面を見る。その後、正面ではなく上下左右を一回ずつ見るという方法で、眼輪筋を鍛えることができます。
(2)顔全体をマッサージする
顔全体を指でマッサージすることにより、表情筋が鍛えられ、血液やリンパの流れも良くなるので、肌のたるみの改善や黒クマの改善が期待できます。
顔のマッサージ(フェイスマッサージ)は、2分か3分くらいでも毎日続けるのがコツです。
(3)美容液を利用する
黒クマは、加齢による肌の衰えが原因で生じるので、ハリのある若々しい肌を取り戻すことが、黒クマの解消にもつながります。
保湿効果があり、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などが配合されている美容液を利用してみましょう。
色々な方法を試してみてもクマが治らない、だんだんひどくなるという場合は、何らかの病気が隠れている可能性もあります。
うつ病やバセドウ病、肝臓病、腎臓病、貧血、アレルギー性皮膚炎などでもクマができることがあるので、気になる方は病院を受診してください。