熱中症とは
熱中症とは、気温や湿度の上昇に伴い、体温調節機能が働かなくなって熱が体内にこもってしまい、さまざまな体調不良を起こす病気を指します。
特に6月~9月に発症するケースが多く、毎年4万人以上の方が救急搬送されています。
熱中症は気をつけていれば予防することも可能ですが、時には軽い症状が出ても気付かないことがあります。すると体温がどんどん上昇してしまい、重症化して命の危険にさらされることがあるので、注意が必要です。
熱中症は室内でも起こる
熱中症は、太陽光が照りつける炎天下で起こるものというイメージがありますが、実際は室内でも起こります。
「屋内熱中症」とか「自宅熱中症」とも呼ばれますが、室内の気温と湿度が高く、風通しの悪い場所にいると熱中症のリスクも高くなります。
室内での熱中症の怖いところは、症状が出ても気付かなかったり、安易に考えて何の対策も取らず、悪化させてしまうことが多いということです。
特に、高齢者や乳幼児の場合、重症化する前に家族が気付いてあげる必要があります。
室内で起こる熱中症の症状
熱中症は、Ⅰ度(軽症)、Ⅱ度(中等症)、Ⅲ度(重症)の3段階に分けることができますが、できるだけ初期症状と言われる「軽症」のうちに対策を取りましょう。
室内で起こる熱中症の症状には、次のようなものがあるので、覚えておきましょう。
Ⅰ度(軽症)の症状
次のような症状は、自宅での応急処置で対応できる段階です。
- 顔が赤くなる
- 唇がしびれる
- 汗が大量に出る
- 気分が悪くなる
- 生あくびが出る
- 手足がしびれる
- 頭がぼんやりする
- めまい、立ちくらみがする
- 呼吸回数が増える
- 筋肉痛がある
- 筋肉の硬直(こむら返り)がある
- 顔面蒼白になる
Ⅱ度(中等症)の症状
次のような症状の場合は、すぐに病院で治療を受ける必要があります。
- 激しい頭痛がする
- 吐き気・嘔吐がある
- 気分が悪い
- 体がだるい・倦怠感がある
- 異常な汗のかきかたをする
- 集中力や判断力が低下する
Ⅲ度(重症)の症状
次のような症状が見られたら、緊急入院して集中治療を行う必要があります。
- 体に触れると熱い
- 自分で水分補給ができない
- ひきつけやけいれんを起こす
- 意識障害・呼びかけに反応しない
- 手足の運動障害がある