親族や親交の深かった人が亡くなった場合、遠方からでも葬儀に出席するのが通例ですが、事情により欠席せざるを得ない場合があります。また、新型コロナウィルスが蔓延している状況下、遺族より会葬辞退の意思が示されることもあります。
しかし、出席はできないものの、遺族に何とかお悔やみの気持ちを伝えたいとう場合、いくつかの方法があります。
葬儀を欠席する場合のマナーと伝え方
事情により葬儀に参列できなくても、「お悔やみの気持ちはきちんと伝えたい」という場合、次のようなことを参考に対応してみてください。
電話やメールで連絡をする
親族や親しい人から葬儀の案内が届いた場合、参列できない旨を伝えるには、電話で連絡をすることが最も早く確実な方法です。
お悔やみの言葉を述べるとともに、欠席する理由を簡潔に伝えます。遺族があわただしくしている中、具体的な理由を長々と述べるとかえって負担をかけてしまうので、あくまでも手短に話しましょう。
また、欠席の理由によっては、遺族に不快感を与えてしまうことがあるため、「やむを得ない事情があって」といったように、婉曲した表現を使います。
常にメールやLINEでやり取りをしている間柄や、故人が会社関係の人の場合は、メールでの連絡も可能です。ただし、先方が見落とすこともあるので注意が必要です。
また、人づてで訃報を知った場合は、欠席の連絡をする必要はありません。
知人や代理人に伝えてもらう
葬儀に参列できない場合、その旨を参列が可能な知人や、代理人に伝えてもらうという方法もあります。
その知人に香典を託して、ご霊前に供えてもらい、可能なら遺族にひと言連絡をしてもらいます。この場合、知人が返礼品を預かってくるということもあります。
また、成人した子供や出席可能なその他の家族に代理を頼んでも問題ありません。
お通夜にだけ参列する
「一日葬」の場合は無理ですが、葬儀当日に参列できない場合、お通夜にだけ参列するという方法もあります。
この場合、よほど急ぎの用事がある場合を除き、喪服を着用し香典を持参して通夜式に参列します。
また、代理人に頼んで通夜式にのみ参列するという方法もあります。
弔電を打つ
葬儀に出席できなくても、弔意はきちんと伝えたいという場合は、弔電を打つという方法があります。
弔電は、主に告別式の会場で紹介され読み上げられるため、遺族にも十分にお悔やみの気持ちが伝わります。弔電の数が多く、会場で紹介されなかった場合でも、全ての弔電は告別式終了後に遺族の手に渡されることになっています。
電報サービスは、NTTや日本郵便、ソフトバンク、KDDIなども取り扱っており、インターネットや電話で簡単に申し込みができます。
弔電を打つ場合の受取人名は喪主にし、告別式が行われる場所に宛てて、葬儀当日に間に合うように手配しましょう。
供花・供物を送る
弔意を示す方法として、葬儀会場に飾られる供花や供物を送るのもおすすめですが、お悔やみ状を添えるとさらに気持ちが伝わりやすくなります。
供花や供物は遠方からでも手配できますが、葬儀会場によっては、外部からの持込不可のところもあるので、事前に確認しておきましょう。
また、供花の場合は宗教や宗派によって、使用する花の種類が決められていることもあるため、この点についても事前確認が必要です。
一般に仏式では菊、ユリ、らん、カーネーションなどが使われますが、キリスト式では、白や淡い色の花がよく使われます。
供物の場合は、故人の好きだった果物を盛り合わせたものや、缶詰や日本酒などを籠に盛りつけた「盛籠」などもよく選ばれます。
香典を郵送する
葬儀会場が遠方だったり、代理人や知人に依頼することができない場合、香典を郵送するという方法もあります。
香典を郵送する場合は、不祝儀袋に現金を入れ、それを現金書留の封筒に入れて郵便局の窓口から送ります。
不祝儀袋の表書きは、四十九日までは「御霊前」とし、その下に名前を書きます。
また、参列できないお詫びやお悔やみの気持ちを記した手紙を同封すると、よりいっそう気持ちが伝わりやすくなります。
現金書留は葬儀会場に宛てて送ることもできますが、日時指定ができない事と本人以外は受け取れない事になっているため、葬儀後に自宅宛に送ったほうが確実です。
後日弔問に伺う
葬儀当日に参列できなくても、後日改めて弔問に伺うことで弔意を示すことができます。
この場合、前もって遺族に連絡を取り、都合を聞いた上で出かけるようにします。
当日は、礼服で行く必要はありませんが、派手過ぎない服装で香典・生花・供物などを持参し、直接お悔やみの言葉を伝えます。
仏前ではお線香をあげて手を合わせ、遺族と故人の思い出話などをすることもありますが、なるべく長居は避けるようにしましょう。