身内だけで行う家族葬とは、どんなお葬式か

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葬儀の形態はいくつかありますが、近年、急激に増えているのが「家族葬」です。

特に新型コロナウィルス感染症が蔓延した2020年からは、感染を避けるためにも、小規模な葬儀形態が選ばれるようになりました。

身内だけで行う「家族葬」とは、どのようなお葬式なのかについて知っておきましょう。

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家族葬とは

従来の「一般葬」は、遺族や親族者、会社関係や近所の方、故人と交友のあった方など多くの方が参列し、大規模なセレモニーの形態を取っていました。

一方、「家族葬」は、遺族と親族、ごく親しかった方など身内のみで行う比較的小規模な葬儀を指します。
参列者の人数は1人~30人程度と少なめですが、通夜や告別式なども行われ、葬儀の流れは一般葬とさほど変わりはありません。

しかし、家族葬にはメリットもあればデメリットもあるので、いざという時のためによく検討しておきましょう。

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家族葬が増えているのはなぜか

身内だけで葬儀を行う「家族葬」が増えたのは、平成時代になってからと言われますが、なぜ増えたのか、その理由としては次のようなことがあげられます。

儀式の簡素化の流れ

ひと昔前までの葬儀は、亡くなった故人の家で行われるのが一般的で、町内の組内の人たちが集まって役割分担を決め、慣習に従ってお通夜や本葬を執り行っていました。

その後、全国に葬儀専門の式場が建てられるようになると、式の進行や料理、後片付けまで全て葬儀社にまかせてしまうようになり、町内の組内の人たちの手を煩わせることがなくなりました。

しかし、近年では参列者が多く経費もかかる「一般葬」は、故人が著名な人でない限り敬遠される傾向があり、身内だけで行う「家族葬」や、通夜を行わない「1日葬」など、簡素化した葬儀形態が選ばれるようになっています。

少子高齢化社会のため

少子高齢化社会の現代日本では、100歳前後まで長生きする方が増えています。

しかし、その高齢者が亡くなった時、遺族や親族も高齢化しているという現実があります。

精神的なショックを受けている時に、「葬儀」のような大掛かりな儀式を行うには、高齢の遺族にとっても参列者にとっても負担がかかり過ぎるため、身内だけで行う小規模な「家族葬」が支持されるようになってきました。

本人と家族の希望

「終活」という言葉が広く使われるようになりましたが、「自分の人生をどのように締めくくりたいか、どのような葬儀をして欲しいか」を家族に伝えておくのも、そのひとつです。

そして、残された家族にあまり経済的負担をかけさせたくないという想いから、大規模な「一般葬」より身内だけの小規模な「家族葬」を希望する人が増えているようです。

故人の家族にとっても、落ち着いた雰囲気の中で、本当に親しかった人だけでゆっくりとお別れをしたいという希望を持つ人が多く、それも「家族葬」が増えている理由のひとつにあげられます。

家族葬の流れ・手順

家族葬は、「家族や親族を中心とした身内だけの葬儀」と解釈されていますが、今のところ明確な定義やルールはありません。

家族のみで行うこともあれば、家族と親族以外にごく親しい友人を呼んで行うこともあります。

一般に家族葬の流れは通常の葬儀とほぼ同じで次のようになっていますが、葬儀内容は故人の遺志を尊重し、自由に変えることもできます。

(1)臨終
(2)葬儀社に連絡し、搬送を依頼
(3)エンゼルケア(死後の処置)
(4)葬儀社による遺体の搬送・安置
(5)家族で打ち合わせ
(6)葬儀社と打ち合わせ
(7)親族や関係者への連絡
(8)納棺

1日目の通夜式

(1)喪主・遺族集合
(2)受付開始
(3)僧侶到着
(4)式場内着席
(5)僧侶による読経
(6)喪主・親族焼香
(7)一般会葬者焼香
(8)喪主挨拶・閉式
(9)通夜ぶるまい
(10)散会

2日目の告別式

(1)喪主・遺族集合
(2)受付開始
(3)開式
(4)僧侶による読経
(5)弔辞・弔電の紹介
(6)焼香
(7)僧侶退出
(8)花入れ
(9)喪主あいさつ・閉式

出棺→火葬・収骨

告別式の終了後、霊柩車に柩を乗せて火葬場へ移動し、火葬・収骨を行います。

この後、式場に戻り僧侶や親族、参列者を招いて「精進落とし(しょうじんおとし)」という会食を行い、故人を偲びます。

 

家族葬の費用は?

家族葬の費用は、会場が小規模であることや参列者の人数が少ないこと、会食費や返礼品費などを抑えられることから、一般葬に比べ低予算で抑えることができます。

家族葬の葬儀そのものにかかる費用の全国平均は約91万円と言われますが、葬儀社や地域、葬儀の内容によりかなりのばらつきがあります。

10万円前後でできる場合もあれば、一般葬と同じくらいの費用がかかってしまう場合もあります。

また、葬儀費用は安く抑えることができても、僧侶へのお布施や塔婆代などが高額になってしまう場合もあります。

家族葬の費用については、事前にネットなどを利用していくつかの葬儀社をピックアップし、各プランを比較検討しておくことをおすすめします。

家族葬のメリット

家族葬には次のようなメリットがあります。

葬儀の形を自由に決めることができる

家族葬の場合、身内だけで行うため、葬儀の慣習やしきたりにとらわれることなく、内容を自由に決めることができます。

故人の好きだった音楽を流したり、家族との思い出の写真を飾ったり、詩を朗読するなど、故人との別れにふさわしいオリジナルのイベントにすることができます。

落ち着いた雰囲気の中でできる

通常の葬儀の場合、喪主や遺族は参列者に挨拶をしたり、式の進行に気を配ったりとあわただしい時間を過ごすことになり、精神的な負担も重くなります。

家族葬の場合は、出席者は身内だけなので気を使うこともなく、故人の思い出話などをしながら落ち着いた雰囲気のなかで、ゆっくりとお別れをすることができます。

低予算で行うことができる

家族葬は参列者の人数が少なく、小規模な会場で済むため、一般葬よりも費用を抑えることができるのが大きなメリットのひとつです。

ただし、地域や葬儀社のプランにより、かなりのばらつきがあるため、信頼のできる葬儀社を選び、プラン内容をよく検討することが大切です。

家族葬のデメリット

家族葬には、メリットばかりではなく、次のようなデメリットもあります。

親族や知人からクレームが来ることがある

葬儀という儀式には長い歴史があり、多くの弔問客を招いて一定の手順に沿って行うものというのが、今もまだ一般的な常識となっています。

家族葬として身内だけで済ませてしまうと、風習や伝統を重視する親族や知人からクレームが来ることもあるので、事前によく説明して理解してもらうことが大切です。

香典収入が少ない

一般葬の場合、参列者も多く葬儀費用も高額になりますが、香典収入も多くなるため葬儀費用の一部を賄うことができます。

しかし、参列者の少ない家族葬の場合は、香典収入も少ないので、葬儀費用を賄うのは難しくなる可能性があります。

葬儀後が大変

生前のおつきあいが多かった故人の場合、葬儀が済んだ後に多くの弔問客が自宅に訪れ、対応に追われることになります。

時には「なぜ知らせてくれなかったのか」「なぜ葬儀に呼んでくれなかったのか」などと苦言を呈されたり、トラブルになることもあります。

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