新型コロナ感染症予防のために、手指を消毒する機会が増えていますが、犬や猫の手足の消毒には「アルコール消毒液(エタノール)」は、使用できないので注意してください。
人間にとっては有効でも、犬や猫にとっては危険を伴います。
犬や猫にアルコール消毒液は危険!
散歩やトイレのあと、アルコール消毒液で犬や猫の手足を拭いたり、体を拭いたりするのは危険です。
一般にアルコール消毒薬の成分は「エタノール」です。
人間は、このエタノールを分解する酵素を持っていますが、犬や猫は持っていないため、体内で分解することができません。
消毒した手足を犬や猫が舐めたりすれば、体内にエタノールが入ることになります。
ビールや日本酒などのアルコール類を「犬や猫がなめると危険」と言われるように、摂取量によっては中毒を起こします。
また、ごく少量であっても分解されないまま体内で残り続け、蓄積された結果、命を脅かすこともあります。
飼い主が使用する除菌グッズにも注意!
玄関先にアルコール消毒液を置いてあって、帰宅したらすぐに手を消毒する習慣があるという場合、消毒液が付いた手で犬や猫に触れるのは、避けたほうが無難です。
手に付いたアルコール液を犬や猫が舐めてしまったり、体に付いてしまう可能性があるからです。
消毒液の入ったボトルそのものを倒してしまったり、じゃれて遊んでいるうちに中の液体がこぼれてしまうということもあるので、置き場所には十分注意してください。
また、エタノールが成分として入っている除菌シートや除菌ティッシュなどにも注意が必要です。
犬や猫の手足の消毒はどうしたらいいか
散歩をしていて足についた泥などは、軽く水で濡らしたタオルで拭いてあげましょう。
さらに除菌・消毒したい場合は、「次亜塩素酸水」が安全と考えられています。次亜塩素酸水は、厚生労働省により食品添加物として認可されているもので、出荷される野菜の洗浄等にも用いられています。
また、新型コロナウィルスの感染予防としても安全に使用できる除菌剤として、多くの動物病院や動物保護施設などでも使われています。
犬や猫の足を消毒する場合は、柔らかい布などに次亜塩素酸水を染み込ませて拭いてあげましょう。
「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」は異なるので注意!
「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」は、どちらも除菌効果はあるものの全く異なるものなので、注意が必要です。
「次亜塩素酸水」は、食塩水や塩酸を電気分解して生成された液体で、酸性であり、食品添加物として厚生労働省により認可されているものです。
菌やウイルスに反応すると普通の水に戻るという性質があるため、犬や猫などのペットが舐めても安心とされています。
一方、「次亜塩素酸ナトリウム」は、スーパーなどで販売されている家庭用漂白剤に使われていますが、アルカリ性で強い酸化作用があります。
水で0.05%までに薄めた上でテーブルやドアノブなどを拭くと、除菌効果が得られるとされていますが、この「次亜塩素酸ナトリウム」は、皮膚に直接触れると害を与えたり、酸性物質と混ぜると塩素ガスが発生するなどの危険性があるので、慎重に取り扱う必要があります。
「次亜塩素酸水」は、どこで買える?
「次亜塩素酸水」は、ドラッグストアやホームセンターなどで取り扱っています。
また、アマゾンや楽天市場など、ネット通販で購入することもできます。
スプレー式のものや、粉末のものなどいろいろあるので、使いやすいものを選びましょう。
※「次亜塩素酸水」の中でも「次亜塩素酸ナトリウム」等を混ぜて作られたものもあるので、購入する際は成分をよく確認ようにしましょう。